AMH検査からわかること|名古屋市中区の不妊治療・体外受精専門クリニック|名古屋上前津ARTクリニック|

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AMH検査からわかること

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AMH検査からわかること

卵胞発育にもAMHは必要です

卵巣では月経周期に合わせて数百~1000個の卵胞が同時に発育を開始し、状態が良い卵胞のみが発育を続けて、最も発育が進んだ卵胞から1個の卵子が排卵します。最も未成熟な状態の卵胞は原始卵胞とよばれ、そこから発育段階に合わせて一次卵胞、二次卵胞、胞状卵胞とよばれます。最も大きく発育が良好な卵胞は主席卵胞とよばれ、自然周期では卵子は主席卵胞から排卵します。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、二次卵胞~初期の胞状卵胞から分泌されるホルモンです。AMHの値は卵巣で発育している卵胞数の目安になることから、今後、卵巣で卵子がどれだけ発育、排卵する能力(卵巣予備能)があるか、その予測に用いられます。

 国内のART施設にて測定された、年齢別、AMHの中央値は以下の通りです。

出典:FALCO bio systems

年齢が上昇するとともに、AMHの中央値が低くなる傾向にあることが分かります。日本人の平均閉経年齢は50歳前後ですが、その年齢に近づくにつれて、AMHの中央値は極めて低くなります。ただし基準値範囲からも分かるように、AMHの値は個人差が大きいため注意が必要です。
ここで注意したいのは、AMHの値からは卵子の質が分からない点です。遺伝子の異常を修復する能力や、減数分裂や細胞分裂の際に染色体が正常に分離する能力などが、卵子の質に影響するとされています。卵子の質が良くない場合は、受精が困難、受精卵の発育が不良、着床しても流産するなどの理由で、妊娠が難しくなることが報告されています。
また、卵子の質は年齢とともに下がることが報告されており、AMHの値とともに年齢も不妊治療では考慮することが大切です。

このようにAMHは卵巣予備能の検査として広く用いられていますが、実際の卵巣でAMHがどのように機能しているか、まだ十分には分かっていません。これまでの研究から、AMHが未成熟な卵胞の生存を抑制することが知られていますが、今回ご紹介するのは、AMHが卵巣のどこで機能するのか調べた論文です。

Lim C, et al. AMH regulates ovary size by counteracting the positive influence of clustered ovarian follicle growth. Human Reproduction. 2026;41(5):795-808.

動物の卵巣や手術にて提供された人の卵巣などを用いて調べたところ、
・AMHを活性化する酵素は大きく発育している途中の卵胞の周囲に存在し、AMHを活性化していた。
・活性化されたAMHは大きな卵胞に近接する一次卵胞の発育を抑制していた。
・活性化されたAMHの機能を抑制すると、発育する一次卵胞が増加した。

つまり、AMHは卵巣の中にあるいくつもの二次卵胞~初期の胞状卵胞から分泌されていますが、大きな卵胞の周囲でAMHが活性化して、周りの小さな卵胞の発育を抑制していたことが分かりました。このことから、AMHは過剰な数の小卵胞が発育することを防ぎ、特に主席卵胞を育てるために機能していることが示唆されました。

このようにAMHは卵巣予備能の予測ができるだけではなく、卵胞発育のためにも必要なホルモンであることが分かってきました。AMH検査は、今の状態を知り、将来の妊娠について考える、もしくは不妊治療についてご夫婦で話し合うきっかけになる大切な検査です。
AMHの検査をご希望される方は、お気軽に医師にご相談ください。

 

2026/5/28

名古屋上前津ARTクリニック 胚培養士

本コラムは一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診療方針を示すものではありません。

治療に関する最終的な判断は、主治医との十分な相談のうえで行ってください。

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